小堀宗翔

活動内容
ACTIVITY REPORT

2020.01.14

新年のご挨拶


新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。さて年末年始はお茶の家は大忙し。
ざっと年末年始の動きをご紹介します。

12月25日は新年に使う青竹の花入をお家元と山に取りに参ります。取りに行くと言ってもそう簡単な道のりではなく崖のような斜面を登る命がけ。
竹を切るもの力とコツが必要で私にはまだまだ至りません。

29日にはお花屋さんで三が日で使うお花を選定、30日はおせち作りに励みます。
大晦日は「除夜釜」といって年内最後のお茶をお客様を招いて行います。
除夜釜では年末ですのでお手製のそばがきと富山の粉一杯の干し柿、お道具も華美なものではなくちょっとしたもの。そばがきは弟が作成します。お着物も普段着ような雰囲気なもので亭主・客、気を使わないような「ちょっと一服」を。
そして31日はお家元の最後のお仕事「埋火」(うずみび)
2019年に使った火を翌年に絶やさぬよう持ち越す。除夜釜のお茶で使った火を灰でうずめながら寝ずの番で翌年につなぎます。そうして小堀家の火と心は受け継がれてきたのです。
新年明けましたらまず祖堂にて流祖・小堀遠州、代々のお家元にご挨拶、そののち新年の一服をお家元にふるまっていただきます。
夜中の一服を頂きましたら、ひと段落して仮眠をとってお正月の朝を迎えるのです。

お正月の三が日は、毎朝おせちを頂きます。お雑煮の味は姉の担当。
おせちのそれぞれの意味を確認しながらその年にあったお料理をいただきます。
小堀家はアスリートが多く「勝ち」につながる「勝ち栗」や「目が出るように」と「くわい」などが人気です。

2日は職方さんがたくさんいらっしゃりにぎにぎと過ごします。夜は書初め。禅語の本と格闘しながら自分の気に入った言葉を書き記します。
また、私の家族は5人なので、5文字の禅語を選び、家族で一文字づつ寄せ書きもしています。年によって字が変わる子どもたち、また家族の寄せ書きは個性も非常に表れるのでお正月の楽しみの一つです。

3日は菩提寺の広徳寺へのお墓参り。こうしてあっという間の三が日が過ぎていき小堀家、遠州茶道宗家の一年が始まるのです。